初めての就職がブラック企業だった…なにが正常でなにが異常か分からなくなる環境

私が初めて就職したのは、SIerだった。

IT技術者として、他社のサポート要員として働いていた。

以下は25年前の話であり、今のIT業界はホワイト化していると信じたい。

 

なんの経験もない私が働いていたのは、大手都市銀行のオペレータ。

銀行のシステムは24時間365日動いており、オペレータは3シフトで常に張り付いていた。

 

作業をミスすると、その日のうちにミスの要因分析、真の原因分析、対策方法を上司に提出する必要がある。

もちろん提出しても却下されることがある。

そのため、だいたい18時間~24時間拘束される。

残業代は出ない。若い頃の私は労働法に詳しくないので、これがおかしいと気付くことができなかった。

気付けたのは、比較的ホワイトな会社に転職してからだ。

今なら労基に相談すれば、いっぱつアウトな事だ。

 

また、出勤前の時間も拘束される。

出社時間の〇〇分前に、作業場に電話する必要がある。

もちろん、この電話を受ける人員も必要であり、その人は早く出社しなければいけないが労働時間に数えられることはない。

つまり、他の人より多くタダ働きすることになる。

私は生意気にも不満を周囲におおっぴらに告げ、電話を受ける役割を拒否した。

職場は体育会系の人が多くよく怒られていたが、労働法に反する内容に対し私が不満を言っていた時は怒られなかった。

(その時は理由が分からなかったが)

 

暴力行為も多くあった。

殴られたら倍にして返そうと日頃から考えていたので、それが表に出ていたのか殴られる事はなかった。

しかし、気弱そうな人は態度が悪いとかで殴られていた。

今の私が殴られたら、すぐに医者に行き診断書を取り、会社と交渉し示談金をふんだくるだろう。

 

3シフト制で夜勤が存在する。

夜勤を担当する場合、半年に1度(日勤は1年に1度)は健康診断を受けさせる義務が企業にあるが、

その現場で働いていた2年間、私は1度も健康診断を受けさせてもらえなかった。

 

上記が初めての職場だと、労働法に違反している内容であってもそれをおかしいと気付く事が難しい。

今は若い労働力が不足しているので、若い人は少しでもおかしいと感じたら、転職し一般的な常識に気付ける行動をとってほしいと思う。

 

ブラックな職場なので、脱落する者が現われてくる。

忌引きを取ってそのまま戻って来なくなる者、

職場のPCを盗み突然失踪する者、

銀行システムをめちゃくちゃ(電源を落としまくる、誤ったデータを仕込むなど)にして失踪する者。

今見れば、明らかに様子がおかしい、言動や行動に異常がある人に気付けると思うが、

働いていた当時はまったく分からなかった、個性的な人がいるなーくらいに考えていた。

 

そして転職を相談した時は、人事部は軽い脅しを仕掛けてくる。

まるでヤクザの手口だ。

「お前はここ以外でやっていけない」、「今は不況だから転職は考え直せ」、

「もう少し待てば、もっと良い仕事を紹介する」などと。

巧妙なのは、私が所属していた会社のグループ会社を紹介してきて、それを知らない私に「そこは待遇がかなり良い」と誘導してきたこと。

やはりおかしいと感じたら、周りは一切信用せず外の世界に行くのがおすすめだ。

情報弱者は搾取されやすい。

 

個性的な人が多いとか、休む人や辞める人が多いとか、そういった職場では警戒心を強めよう。

自分は大丈夫と過信すると、弱みに付け込まれポキッと折れた時に立ち上がれなくなる。

私は、その職場で折れなかったが今いろいろ知っている状態で送り込まれ、2年間働けと言われたら折れると思う。

ホワイトな会社はたくさんある、それ以上にブラックな会社もある。

ブラックな環境に染められ、ホワイトな会社でも働けないような壊され方をされたら、たまったもんじゃない。

 

知人が多い人や、他人にすぐに相談できる人は比較的そこまで深刻な状況にはならないかもしれない。

誰にも相談できず、責任感が強く他人を頼れず、全部自分に背負わせる傾向の人は危ない。

 

もし、訳の分からない事で壊されるのが嫌だと考えている人は、壊れた人の話を聞いたり、調べたりしてほしい。

幸い(?)にも嫌な経験談というのは良い経験より多くそこら中に溢れている。

私は幸いな事に壊れる手前で、自分の身体的症状や悪化するとどうなるか調べて、このままでは危険だと知ることができ、その状況から逃げることができた。

転職を繰り返していればそのうち良い職場に出会う事だってある。逆に言えば、転職しなければ出会えない。

 

苦労をすることで知れることも多い。しかし、苦労するのが当たり前だと刷り込まれ、自分をすり減らすことにはなってほしくない。

疲れ切った人と話す機会があった。

彼らは、なにかを楽しむ事、なにかを感じる事、なにかをしようとする気力を失っていた。

ただ生きていて、いつか死ぬこと、誰かに殺されることを望んでいた。

 

あまり参考にならない内容かもしれないし、上からの文体があったら失礼しました。

誰かが上に書いたような状態になって欲しくない。その気持ちで当記事を書いた次第です。