性別による差別と捉えられる発言をされた経験と嘘をつくお客さんとの経験

今回は私が経験した印象に残っている話を二つご紹介したいと思います。

私は前職ではメーカーで営業職として従事していました。

業界自体が古く、男性が活躍しており、女性の営業職は自社だけでなく同業他社にもほぼいないような男性社会といった業界でした。

取扱い製品自体は華やかに見えるのですが、仕事内容もとても泥臭いところが多い仕事でした。

新規開拓や既存顧客の深耕営業というところはもちろんですが、日々のメインの仕事は納期調整でした。

完全受注生産のメーカーでしたので既製品などがなく、お客様仕様に合わせたものを受注次第生産する流れでした。

そのため、納期調整というのはつきものでした。

特に私が所属していた部署では自社工場・仕入れ先工場をハンドリングする必要があり、その中でも自社工場のハンドリングがすごく難しい仕事でした。

なぜなら工場を効率よく回し利益を得るというのが会社としては必要なことであり、そのためには同仕様の受注製品をある程度固めてスケジュールを組み、生産する必要があるのです。

例えば、通常なら受注から一カ月で納品できる商品だとしても、受注のタイミング次第では他のお客様の製品を生産するタイミングと合わせて2週間で納品できることもあれば、反対に一カ月半かかってしまうこともあるのです。

要はタイミング次第というところがあり、無理やり差し込むと工場としては効率がかなり悪くなってしまい、営業希望の納期を全て叶えると破産してしまうため、納期の融通がかなり利きにくい状況がありました。

そんな時、ある出来事から自社工場生産分の受注が殺到し、納期が通常の0.5倍ほどかかってしまうようになってしまいました。

すべてのお客様にご迷惑をお掛けしてしまう状況でした。会社としても自体を重く受け止め、問題解消に向け試行錯誤をしていました。

前置きが長くなってしまいましたが、私の担当していたで一番売上の大きいお取引先にそんな状況の中で言われた今でも覚えている一言のエピソードをお話したいと思います。

その取引先にはいつも私がやりとりをしていた窓口の方ではなく、昔から前職場との関係があるサブ担当の方がいました。

その方はいつも少し嫌味染みた言い方をされる方ではあったので、特に普段は気にしないようにしていました。

メインの担当者の方には現場の状況を都度ご報告し、どういう状況かということをご説明していました。

そのようなタイミングである商談の際にサブ担当の方が出てこられ、開口一番に「担当が女性に代わってから納期がいつもより遅い、融通が利きにくくなっている」と言われました。

私の前任は部長(男性)でしたし、当時新入社員の時にその得意先を引き継いだので、注文を結構だしているのに新入社員に担当を変えられたという思いが元々あったのだとは思っています。

ただ、私の名前ではなく、「女性に代わって」と言われたことがすごく腹が立ちました。女性軽蔑だなと感じました。

私はすごく負けず嫌いなのでその言葉が引っ掛かり、以降はその方はメイン担当ではないけれども商談の際に声を掛けるようにし、あえて接触するようにしました。

会うたびにその方にも状況をご報告していたことと、同業他社にも受注が殺到していることが知れ渡ったことで、同業他社の担当者から話を聞いたこともあって、状況自体は納得してもらえるようになりました。

嫌なお客さんと言われ一番はじめに思い浮かんだのは、この女性軽蔑をしてきたお客さんでした。

二つ目のエピソードになります。嫌なお客さんで思い浮かんだ二人目は虚言癖のあるお客さんです。そのお客さんも上記と同じ会社で営業職をしていたころの取引先になります。

そのお客さんはとにかく仕入れ先を下にみており、頼み方が雑な方でした。

そのことが態度から見て取れるのも嫌でしたが(他社とお話しているときにたまたまその取引先の話になり、そのお客さんのエピソードがでてきたので、全仕入れ先に対して同じような態度なんだなと後から分かりました)、一番嫌だったのは自分に都合の良いように嘘をつくことでした。

一番揉めたエピソードとして、こちらも納期関係です。

まず私の事務担当にその取引先の事務員から電話でこの商品納期いつですか?との問い合わせがありました。

事務担当の方が該当商品の工場への指図書を確認しても発行されておらず、工場への注文をしていない状態でした。

そこで取引先からの注文書を確認したのですが見当たらず、私も事務担当も注文書を見た覚えがなく、その旨をお客さんに伝えました。

FAXでの注文でしたので、もしかしたらこちらで私の手元に届く前に社内で紛失してしまった可能性もありますし、反対にお客様が注文書を流せていなかった可能性もありますので、そこは特にこちらもはねのけるような言い方はしませんでした。

ただそのあとまた事務担当の方にお客さんから連絡があり、「あの商品納期何日ぐらいって聞いてたのになんなんだ。どうにかしてくれ」とクレームがはいりました。

しかし、事務担当も私もその商品に関する納期の話は一切していなかったのです。

その話を事務担当から聞き、私の方から連絡をいれ、「事務担当も私も納期の話は一切しておりません」と強く否定しました。

すると嘘が突き通せなかったのか、もしくは本当にそう思っていたのかは分かりませんが、だんだん声が弱くなり、本来話し合いをすべき、では納期に間に合わすためにどうするのかという話し合いをできるようになりました。

それ以降は事務担当とそのお客さんと私の間で、注文書をもらったら必ずFAXで返信するだけではなく、メールでも受注確認しましたとのご連絡をいれるようにルールづけました。

それ以降はそういった論点のズレたクレームが発生することはありませんでした。