20代後半の小学校教員からの転職~一般企業を知らない男の決断~

・転職前の会社の状況

転職前は公立小学校にて5年間勤務していました。高校生の時にとても分かりやすい授業をしてくださって先生たちに憧れていました。また、文化祭では先生たちが各々得意な楽器で生徒たちを盛り上げているのを目の当たりにして、より教員という仕事に就きたいという想いを強めました。

大学は比較的近くにあったということもあり、教員養成の大学に進学しました。4年間は正直「教員をずっとやっていく」ということしか考えていませんでしたので、いわゆる一般企業についてはまるで考えていませんでした。

いざ教員に就いたとなったはいいものの、とても仕事は目まぐるしいものでした。授業の準備、保護者対応、後輩の育成、学校対抗の教員スポーツ大会など、挙げたらキリがないくらいには仕事がありました。「暇だな」と感じられる余裕はあまりなく、平日だけで仕事しているだけでは間に合わないと思った時には土日に勤務地に行くことも多くありました。独身で、まだまだ若かったので、そこまで苦に感じていなかったです。本当に仕事が好きという一心で出来ました。

 

・転職しようと思ったきっかけ、理由

コロナが世間でもニュースで取り扱われ始め、学校が閉鎖になりました。教員は自宅待機を命じられ、途方に暮れている日々でした。「子供に何かしてあげたいけれど、直接会って会話することも難しくなってしまった」「何もできないものか」と悶々と考えている間に4月になりました。そして、学校を閉鎖したまま始業式を行い、iPadなどの設備がきちんと整っているわけでもなかったため、学校と家庭との連絡がとても大変なものでした。そんな中で、「教員のままではコロナだけでない何かが再度起こった時に何もしてあげることができない」と考え、転職について考え始めました。「公務員という立ち位置」「安定性」など、辞めるリスクはさまざまあり、1年間かけて転職することを決意しました。子供と関わることは好きで、教員をやってきたことをすべて無駄にはしたくないと思い、「子供」と「IT」を関連させるような仕事に就きたいと考えました。

 

・利用した転職サービスについて

利用した転職サービスはマイナビ転職などの大手も利用しましたが、最終的に決めた企業の掲載元はWantedlyでした。「未経験でエンジニアに転職できるものもそんなにないだろう」と思い、YouTubeやWebで調べたところ、Wantedlyで未経験エンジニアを多く募集していることを知り、多くの企業にコンタクトを取り、現在の会社に就くことになりました。

 

・転職サービスのサービス内容や感想

Wantedlyベンチャー企業が多く、中には代表取締役の方が直々にオンライン対話をしてくださるところもありました。「ぜひオフィスに直接来てお話ししましょう」とおっしゃる方も多くいて、とても温かく感じました。ベンチャーだからこそ出来ることでもあるのかなと思います。

もちろん大手転職サービスでも親切にエージェントさんが丁寧に紹介してくださいましたが、なかなか未経験でエンジニアを雇うようなところは多くありませんでした。

 

・転職先の入社1日目

カリキュラムをこなしつつ、最初は派遣業務をするという形なので、初日は(なんなら現在もですが)テレアポ業務の会社に行きました。アニメやドラマで何となくコールセンターのお仕事に対してのイメージはありましたが、生で見てみて「一生分、なんなら他人の一生分の電話をしていくのだろうな」という独特な感想をもちました。今まで目の前の子供に指導するところから、顔の見えないお客さんに商品を提案するという仕事のギャップ。そして、初めて勤務というものをすることもあり、ガチガチに緊張して電話をしたことを今でも鮮明に覚えています。なかなか受注が取れず、先輩からは「まあそういうものだから」と慰めてくださいました。

 

・転職してよかったこと

(1)企業を知る。

一般企業の様子を知ることが何よりも学びでした。それまで教員生活、教員人生を送ってきた方々が周りにいるのが当たり前だったため、「子供と触れ合うのが喜び」「子供が笑顔になってくれることが幸せ」という思考が当たり前でした。ですが、「お客様」がいるのが当たり前だということに気づかされました。

また、残業も普段から2~3時間程度するのが当たり前だった私からするとしっかり定時に帰ることに驚きを隠しきれませんでした。普通の企業はもう残業や就業時間・就業規則に厳しくなったんですね。

(2)人間関係

派遣業務先での話ではあるのですが、若い人が多い印象です。もちろん学校も若い人がいないわけではないのですが、ベテランの方がほとんどですので、そこにギャップを大きく感じました。若い人が多いからこそ、とても話しやすいな、というようにも感じました。

(3)時間

まだまだ転職したばかりで、必要なカリキュラムも終えていませんので、プログラミングを勉強中です。教員時代では出来なかった「自分のための勉強」をこれからたくさんしていきたいと思います。