昭和の価値観で古い体質の大企業に耐えかねて、自由を求めた転職

私が新入社員として入社したのは、某インフラ会社。

俗に言う大企業で、潰れる心配もなく、倍率数百倍にもなる面接をくぐり抜け入社が決まった時には、多くの人に羨ましがられました。

私としても第一志望の会社で、何もなければ一生涯勤め上げるつもりで入社していました。

しかし、入社して待っていたのは、宗教のような新入社員研修です。

当時はこんなものか、と思っていましたが、一番最初にさせられたのは社歌の暗記。

かなりピリピリとした空気の中、一人ずつ前に立たされて歌わされた時には、プレッシャーで頭が真っ白になりました。

そして、詰まったり間違えると冷たい視線を浴びました。

その後も、実務に関する研修はほとんどなく、会社の成り立ちを学んだ後は、総合職としての心構えや今後の目標等を発表する日々。

まるで宗教のように、会社への帰属意識を高める研修が続きました。

そのような毎日が私には合わなかったのか、食欲も無くなり、研修の1ヶ月間で3キロほど体重が落ちていました。その研修の後は、社内には忙殺される部署も多い中、比較的落ち着いたスタッフ部門の部署に配属されました。

部署の仕事は面白く、また上司、先輩は尊敬できる人が多かったため、入社時のストレスも忘れ4年間働きました。

しかし、古くからある企業のため、仕事のやり方が刷新されることがなく、合言葉は「前例踏襲」。

稟議は全て紙、まとめ方にまで細かい制約があり、その他もアナログ作業が非常に多かったです。

また、何よりも耐えられなかったのが、土日祝日関係なく呼び出される組合の行事です。

春闘や選挙の時期になると、行事やイベント事が頻繁にありました。新入社員から数年は断ることも許されずほぼ強制参加。

交通費をかけて遠くまで出向いては良くわからない話を聞かされ、デモに参加させられ、飲み会まで強制参加させられ、憂鬱な週末を過ごしました。

それに加えて、私は総合職として入社したため、3年前後でジョブローテーションによる異動があります。

4年間を過ごした部署から全く畑違いの部署へ異動となりました。

元々会社は男性が多く超男社会でしたが、最初の部署は女性も多く仕事もやりやすかったのですが、次の部署は女性は2人だけ。

若い女性だとチヤホヤされることもありましたが、私は、セクハラまがいの言動、行動もしてくる上司や先輩、同期達にストレスも感じていました。

その異動を契機として、色々と積もり積もっていた私は退職をすることを決意し、仕事と並行しての転職活動を始めました。

まず登録したのは、就活でも一番利用したリクナビ、そして次にマイナビエージェントに登録しました。

しかし、エージェントは次のステップを促されたり、アドバイスをいただけることは非常にありがたいですが、早く転職先を決めないとと思うようになり、焦燥感を感じるようになりました。

その結果、あまり自分のタイミングで転職活動が進められない環境は自分には向いていないと感じ、途中で利用することはやめてしまいました。私はスタッフ部門で4年間働いていたため、そのスキルの活かせる事務職を希望していたことから、女性向けで事務職の掲載の多いとらばーゆに登録し、リクナビと並行しながらもとらばーゆを中心に転職活動を行なっていきました。

自由にまったりと事務職で働きたいという希望を持って転職活動を始めたため、希望条件を一番満たしていた転職サービスが女性向けのとらばーゆだったのでした。とらばーゆは自分のペースで転職活動を進められ、Web履歴書も簡単に提出でき、すぐに次の面接のステップに進むことができました。

大企業ではなく中小企業、特に士業の事務スタッフを第一希望としていたためか、あまり転職活動をしているという忙しさやストレスも感じませんでした。

面接も何度か経験しましたが、新卒採用の答えがない漠然とした内容と違って、転職活動では会社で携わってきた実務内容や、その知識・スキルを使って転職先に活かせることといった、かなり具体的なことが話せるため緊張感もなく話すことができました。また企業側も、何らかの理由で人手が足りず早く補填したいことが伝わってくるため、かなり砕けた雰囲気の面接が多かったです。

転職活動を始めてから半年ほど経った頃、とらばーゆで希望の条件を満たす弁護士事務所が見つかり、すぐに申し込み。

するとトントン拍子で面接まで進み、内定をいただくことができました。

そして、1ヶ月弱の有休消化を経て、法律事務所で働き始めることができました。少人数のためアットホームな環境で弁護士や事務員もいい人ばかり、本当に転職して良かったと思います。

転職先は何より、仕事とプライベートをしっかり分ける会社だったため、仕事が終わればすぐに帰ることができます。唯一、前職の総合職と比較すると、事務職では給与水準は大きく上がらないとは思いますが、お金よりもストレスが少ない環境で自分の心身が健康であることが一番だと感じます。

自分のやりたい仕事を快適な環境でできることが、「働くこと」へのモチベーションにもつながるのだと強く実感した転職活動でした。